第3回全国大会【大人部門/中上級】《入選》玉造 淳様
玉造 淳様
私はこのコンクールでショパンの「別れの曲」を弾かせて頂きましたが、全国大会では自分にとって最高の演奏ができたので本当に嬉しかったです。
けれども、ここまでの道のりには様々な葛藤があり、大変でした。
「別れの曲」はショパンのエチュードとして有名で、最初の旋律は誰もが聴いたことがあると思いますが、中間部は高度な技術を必要とします。私のレパートリーの中でも一番難しい曲だったので、はじめはとても不安でした。ただ私のレッスンを担当していた先生が、「挑戦」するように勧めて下さり、私は一か八かの覚悟で「別れの曲」を弾くことを決めました。
それから学校の勉強との両立で練習時間が限られていましたが、たくさん練習を重ねました。
しかし、去年の9月の予選では大ミスをしてしまい、ショパンのエチュードを弾くことの難しさを改めて痛感しました。
本番になると緊張に弱くなってしまう自分の特徴がよく分かったので、全国大会に向けて本番を想定した練習をするように切り替えました。その後、たくさん舞台に出ました。
すると、これまで難しいと感じていた「別れの曲」が落ち着いて弾けるようになり、段々楽しくなっていきました。
全国大会当日は、いつもの舞台での演奏よりも更に自分らしさを出すことができ、細かいミスにも動じない強い心で演奏ができました。入選の結果を頂いた時は、ショパンを頑張って本当に良かったと思いました。
また審査員の講評には積極的な挑戦というポジティブな内容が書かれていました。今回のコンクールはまさに「挑戦」ということをテーマに臨んだコンクールだったので、私の演奏時の気持ちまで理解して下さり、嬉しかったです。
一方、ここをもう少しこうした方が良いといった改善点も書かれていました。
特に「ストレートなタッチ」は、自分の長所であり今後の課題でもあると思います。私はどの曲もピアノへの思いが強いが故に「ストレートなタッチ」になってしまいます。
ショパンのエチュードを弾く時は、「ストレートなタッチ」だけではなく、「テクニック」も必要だと感じました。
最後に私がここまでショパンにこだわる理由は、ショパンの音楽には何か惹きつけられるものがあるからです。この「何か」は未だに分かりませんが、それを追い求めてショパンを頑張ることができました。
私の学生時代のピアノは終わりましたが、ピアノは私にとって生きがいなのでこれからもずっとずっとピアノを続けていきたいです。
ショパンありがとう。