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第1回全国大会【大人部門/中級】《金賞》清原 聖子 様

清原 聖子 様

このたびは、中級部門で金賞を頂き、どうもありがとうございました。
全国大会当日、夜の結果発表の時間まで会場にいられなかったので、数日後に電子メールで結果が送られてきて、「金賞」の二文字が目に入った時、何かの見間違いではないかと思って、何度も読み直しました。後日立派なトロフィーが送られてきて、それを手にすると、だんだん実感がわいてきました。

予選の審査員の先生方から頂いたコメントを励みにして、全国大会に向けて準備できたため、珍しく舞台の上に立っても緊張しないで、平常心を忘れずに鍵盤に手を置くことができました。

予選と全国大会で演奏する曲を同じ曲にして良かったと思いました。今回、演奏したブラームスの「三つの間奏曲」(op.117)のno.1は、私のピアノ人生を変えた記念の曲です。

 

この曲を弾き始めた当時、アメリカで在外研究中だった私は、たびたび教会の礼拝で、ボランティアでピアノの演奏をしていました。そこで演奏するのにふさわしい曲を探していたのが一つのきっかけです。慣れないアメリカ生活の中で、ストレスと閉塞感を感じていましたが、この曲の冒頭の、鐘がなっているような和音とリズム、和音の間に流れる内声部の美しい旋律を聞いて、心が救われるような気がしました。

中間部でテンポがpiù adagioに変わると、左手に導かれるように暗く悲しい絶望が広がりますが、最後には天国から一筋の光明がさしているように終わる、というところが、心の琴線に触れました。

そして、ジョージタウン大学でLura Johnson先生に出会い、レッスンの中で晩年のブラームスやこの作品についてディスカッションをすることで、作曲家や作品の奥深さについて学ぶことがとても楽しくなりました。気が付くと、ピアノに対する好奇心も情熱もそれまでとは全く違うものに変わっていました。
最後に、帰国したばかりの私にとって、第1回ブルーメンシュタインコンクールが開催されるという情報は朗報でした。

いつも暗譜をしなくては、ということに気を取られて緊張してしまう私にとっては、視奏可で、楽譜を見ても審査に影響しない点はとても助かりました。また、級が分かれていて徐々にステップアップしていける点も魅力でした。

向上心を忘れずに、いずれ上の級に挑戦できるように、これからも練習に励みたいと思っています。審査員の先生方、スタッフの皆様、どうもありがとうございました。ブルーメンシュタインコンクールがこれから長く続きますように。

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